【中学受験国語の勉強法】「物語文」の読み方を徹底解説

「文章は読めるのに答えが合わない」「登場人物の気持ちがよく分からない」「選択問題を絞りきれずに間違ってしまう」
こうした悩みを持つ受験生は、物語文の重要なポイントに注目しながら読むことができていない可能性があります。

物語文には、正しい読み方の型があります。本文のどこに注目して読むかが分かれば、読解は安定していきます。
この記事では、物語文を読解するためのポイントを解説します。

物語文を読解するためのポイント

[1]心情を読み取る

物語文を読むときに最も重要なのは登場人物の心情を読み取ることです。文章を読むときは心情が表れている表現に線を引きながら読む習慣をつけましょう。

心情に線を引きながら読むことで、登場人物の気持ちがどのように変化していくのかを意識できるようになります。物語は多くの場合、主人公の心情の変化を中心に展開します。したがって、心情の流れを追えるようになると、文章全体の理解も大きく深まります。

心情を読み取ることができるようになるために以下の点が重要です。

心情が表れている記述に注目できる

物語文では、「太郎くんはうれしかった」というように、気持ちがそのまま書かれていることはほとんどありません。中学受験では、登場人物の行動や様子・比喩表現などから心情を読み取る力が求められます。

たとえば次のような文章を考えてみましょう。

例1:太郎くんはランドセルのひもを握りしめ、うつむいたまま何も言わなかった。

この文には「悲しい」や「悔しい」という言葉は出てきません。
しかし、「ひもを握りしめている」「うつむいている」「何も言わない」といった様子から、太郎が悔しさや悲しさを感じていることが読み取れます。

例2:太郎くんの胸の中に、冷たいものがすっと流れた。

胸に冷たいものが流れた」という表現は、比喩表現です。ここから、不安や恐れといった気持ちが表れていると読み取ることが重要です。

このように、物語文では行動・様子・比喩などに隠れている心情を読み取る力が求められます。

心情がプラスかマイナスかを判断する

心情を見つけたら、その気持ちがプラスなのか、マイナスなのかを考えながら読むことも大切です。このように、心情のプラスやマイナスを考えることで、心情を読み取る力が育ちます。

  • プラス(安心・誇らしい・決意するなど)
  • マイナス(悔しい・不安・戸惑いなど)

特に、心情が大きく変わる場面は物語の重要なポイントになることが多いので注意して読みましょう。

心情に線引きをし、プラスやマイナスを書きこみながら読み進めましょう!

心情語の意味を理解する

心情を読み取るためには、心情を表す言葉の意味を理解していることも重要です。
ただ「プラス」「マイナス」と判断するだけでは、十分に心情を理解しているとは言えません。

心情語には、感謝する・動揺する・罪悪感など、様々なものがあります。これらの言葉の意味が分からなければ、登場人物の気持ちを正しく理解することはできません。

心情語の意味が分かるか、次の問題に挑戦していてください。

[問題]次の1~4にあてはまる心情語を、下に挙げた心情語の中から選びましょう。

  1. 方法などを思いつかず、どうしていいかわからなくなる
  2. 進んで何かをしようとはりきる
  3. 思った以上にすばらしいことに心が強く動かされる
  4. 気持ちが不安定に揺れ動いている

(心情語) 動揺する 意気込む  感動する  戸惑う

[答え]  1戸惑う 2意気込む 3感動する 4動揺する

心情語の意味を説明するのは、大人でも難しいものです。お子さんと確認してみてください。

[2]人物・人物像を整理する

物語文が読めない原因の一つに、人物関係の整理ができていないことがあります。
内容が難しいのではなく、「誰が・何をしているのか」が曖昧なまま読んでしまっているケースがとても多いのです。


■人物を確認する
物語文を読むときは、登場人物をしっかり押さえることがスタートになります。
特に登場人物が多い文章では、誰が誰なのか分からなくなり、それだけで内容理解が難しくなります。そのため、次のように整理していきましょう。

・登場人物を見つけたら〇で囲む
・同じ人物が違う呼び方で出てくる場合は線で結ぶ
(例)「わたし」=「太郎」=「お父さん」 → これらを線でつなぐ


■人物像を確認する
次に、その人物がどのような人なのかを押さえます。
(例)小学6年生・クラスで孤立していた・学校に行けていない

このような人物像は、心情理解の土台となります。人物像がつかめていないと、「なぜその行動をしたのか」「なぜその気持ちになったのか」が読み取れません。
人物像が読み取れる記述には線引きをして確認しましょう。


■人物関係図に整理する
「登場人物が多く整理しにくい」「人物同士がどのような心情を抱いているかわかりづらい」ことでお子さんが困っている場合は、人物関係図に整理して説明してあげましょう。
このような図にまとめてあげることで、お子さんが自分で整理する力を身に着けられるようになっていきます。

(蒼沼洋人『ぼくがぼくであるために』ポプラ社)


■こんな人物には要注意!
物語文では、見たままの言動だけで判断してはいけない人物がよく登場します。
特に注意したいのが、次のようなタイプです。

  • ひどい言葉や態度だが、本当は相手のことを思っている
  • わざと冷たく接しているが、内心では強く気にかけている
  • 強がっているが、本当は不安や寂しさを抱えている
  • 明るくふるまっているが、実は悩みを隠している
  • 一見わがままに見えるが、自分の気持ちをうまく言えないだけ
  • 相手を避けているが、実は関わりたいと思っている

こうした人物は、表面の言動と本心が裏腹になっているため、読み取りの難易度が一気に上がります。このような人物である可能性を考えながら、読んでいくことが重要です。

[3]比喩表現を読み取る

物語文では、登場人物の気持ちや場面の様子を、そのまま説明せず、比喩(ひゆ)を使って表現することがよくあります。
この比喩を正しく読み取れるかどうかで、文章の理解度は大きく変わります。


■比喩表現とは
比喩表現とは、似ているものを別のものに置き換えて説明する表現です。

たとえば「空に浮かんだわたあめ」という表現は、雲をわたあめにたとえています。
白い」「ふわふわしている」「空に浮かんでいる」―そうした共通点があるからこそ、この比喩が成立しています。

比喩を用いることで、単に「雲」と書くよりも、見た目や雰囲気まで含めて、読み手に強く印象づけることができます。その結果、読み手のイメージはより豊かにふくらみます。


■比喩を言い換える問題
比喩表現を言い換える問題に挑戦してみましょう。

【本文】
「ぼくはもう、おにぎりって呼ばれたくない」
 あたりが静まり返った。次の瞬間、3人は一斉に笑った。
「おにぎりっ。おまえ、バカなの?」
 山田の顔がゆがむ。教室から光が消える。耳ざわりな笑い声に、山田のつぶやきが真っ黒に塗りつぶされる。
 でも、届いた。
 その声は、ぼくのまんなかに、ちゃんと届いた。
 黒一色の教室で、まだきらきらと輝くその光を、ぼくはしっかりと受け止めた。

【問題】
黒一色の教室で、まだきらきらと輝くその光を、ぼくはしっかりと受け止めた」とありますが、どういうことですか。この時のぼくの気持ちにもふれて説明しなさい。


(蒼沼洋人『ぼくがぼくであるために』ポプラ社)

◎(問われていること)を確認する
→「どういうことですか」=言い換え問題
この問題は―線部が比喩なので、比喩を一般的な表現に言い換える問題です。
さらに、「気持ちにもふれて」という条件があるので、心情を必ず書きましょう。

◎比喩を言い換える
比喩の言い換えは「なんとなく」のイメージで言い換えるのではなく、ひとつひとつの言葉を言い換えることが大切です。

今回の問題では

  • 黒一色の教室 →味方がだれもいない教室
  • まだきらきらと輝くその光 →山田が嫌な気持ちをはっきりと言ったことでいじめがなくなるのではないかという希望
  • ぼくはしっかりと受け止めた →ぼくは確かに感じることができた

このように、ぞれぞれの言葉が何を意味しているか意識して記述をまとめていきましょう。

[正答例]
山田を助けようとする人は誰一人いない教室で、山田が針谷たちに本当の気持ちを伝えたことで、いじめがなくなるのではないかという希望を「ぼく」は確かに感じとり、力になろうとしている。

[まとめ]物語文の読解ポイント

今回の記事はいかがでしたでしょうか。
物語文の読解においては、「人物・人物像」「心情」「比喩表現」を中心に読み取ることが重要です。
登場人物がどのような人物像なのかを本文中の表現から丁寧に捉え、その人物の心情がどのように変化していくのかに注目しながら読み進めていきましょう。また、比喩表現は登場人物の気持ちを強く表していることが多いため、見つけたら必ず立ち止まって意味を考えることが大切です。

物語文では、お子さん自身がまだ経験したことのない状況や複雑な心情が描かれていることも少なくありません。様々な心情があることを、丁寧に教えてあげてください。

ひとつひとつの物語文を丁寧に読み進めて理解することが、どんな物語文にも対応できる汎用的な読解力につながります。

ぜひ今回学んだ読み方を意識しながら、さまざまな物語文に触れ、「人物」「心情」「比喩」を軸にした読解を繰り返し練習していきましょう。

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